電子線リソグラフィーという技術は、電子線をコントロールすることで、微細な描画を可能にするもので、例えば集積回路の回路パターンの描画に用いられている。
ただし、これまでは2次元の描画しかできず、3次元の物体をこれでつくることはできなかった。
本研究は電子線リソグラフィーで微小な3次元の物体(ナノメートルの大きさ)が作れることを示すものである。
本研究では、材料として遺伝子組み換えをおこなった蜘蛛の糸を用いている。この材質は、照射する電子線の速度によってエネルギーが集中する場所の深さが変化するので、特定の深さだけを固めることができ、3次元構造を電子線リソグラフィーで描画することが可能となった、
Qin, N., Qian, ZG., Zhou, C. et al. 3D electron-beam writing at sub-15 nm resolution using spider silk as a resist.Nat Commun 12, 5133 (2021). https://doi.org/10.1038/s41467-021-25470-1