感情と顔の表情の関係(悲しいときの顔、楽しいときの顔、、は決まった特徴があるのかどうか)についての研究。ここでは、感情表現のプロである俳優の表情を使って研究している。特定の状況のときに俳優がした表情を解析することで、1. 特定の感情のときの決まった表情があるか、2. その表情は他の感情のときには出さないか、を調べている。
顔の表情の解析には、FACSという顔のパーツの動きをみる手法を使っている。(眉を上げているかどうか、口角が上がっているかどうか、など)
その結果、恐怖、楽しさ、驚きの3つの感情だけが、表情と感情に決まった関係がみられたが、他の表情(怒り、恐れ、軽蔑、悲しい、など)ではみられなかったことを確認した。
したがって、感情に対して決まりきった表情というものはなく、文脈に応じて表情は変わる、ということを示唆している。
Le Mau, T., Hoemann, K., Lyons, S.H. et al. Professional actors demonstrate variability, not stereotypical expressions, when portraying emotional states in photographs. Nat Commun 12, 5037 (2021). https://doi.org/10.1038/s41467-021-25352-6