収入の違いによって、生活圏がどのくらい分離しているかを調べた研究。

450万人分の携帯電話の位置情報と、都市の110万の場所情報を使って、各場所に来る人の収入層に偏りがあるか(場所での隔絶)と、各個人が訪れる場所にいる人の収入層に偏りがあるか(個人の体験としての隔絶)を調べた。

a) 場所での隔絶 b)個人の体験としての隔絶 c)各場所での、収入での隔絶の強さ。赤い点は隔絶が大きい(特定の収入層が集中している)場所。

場所の種類と、隔絶の度合いの関係。居住場所から遠いところにある施設ほど隔絶は少なくなる傾向。

解析の結果、場所としての隔絶と、実際に各個人が体験する隔絶には差があることがわかった。さらに、この差を個人の行動の特性(新しい場所にどれだけ行くか、違う収入層が多い場所にどれだけ行くか)をいれたモデルで解析している。

個人の行動のパターン(新しい場所にどれだけ行くか、他の収入層が多い場所にどれだけ行くか)が、居住区域の特性に由来するのか、それとも個人の特性に由来するのかを調べている。

Moro, E., Calacci, D., Dong, X. et al. Mobility patterns are associated with experienced income segregation in large US cities. Nat Commun 12, 4633 (2021). https://doi.org/10.1038/s41467-021-24899-8