脳内出血の診断にはMRIが重要だが、撮像の際に強い磁場を使うため、専用の場所に据え置きで使うしかなく、それによって撮影に制限がかかってしまう。

本研究は、磁力の弱いMRIを使っても脳内出血の診断が可能かを調べたものである。使用したMRIは通常のものに比べて1/20以下の磁力で、移動可能な器具であるため、これでも診断可能であれば、手軽に脳出血を見出すことができると期待される。

本研究で用いたMRI。磁力が弱く、運搬可能。

このMRIで撮影した画像と、従来のMRIの画像を比較することでどれだけ脳出血を見いだせるか確認したところ、磁力の弱いMRIで撮像した画像でも高い精度で見つけることが可能であることを見出した。

磁力の弱いMRIで撮影した画像(左2列)と、従来の手法で撮影した画像(右1列)。弱いMRIでも脳内出血(赤い矢印のところ)が確認できる。

この機器であれば、ベッドの横ですぐ撮影可能であり、検査にあらたな選択肢をもたらすと期待される。

Mazurek, M.H., Cahn, B.A., Yuen, M.M. et al. Portable, bedside, low-field magnetic resonance imaging for evaluation of intracerebral hemorrhage. Nat Commun 12, 5119 (2021). https://doi.org/10.1038/s41467-021-25441-6