様々な要素がどうつながって影響しあっているかを表すために、各要素をノードとしたネットワーク(グラフ構造)が広く用いられている。その際に、このネットワークに変化が加わったときにどれだけ耐えられるかを見出すことは重要である。ところが、最小限のノードを取り除くことでネットワークを崩壊させるためには、どのノードを選べばいいか、という計算はNP-hardという計算量の多い問題であることが知られており、通常は経験則にもとづいて済ませることが多いという。

本研究はこれを機械学習をつかっておこなうというものである。手法としては、比較的小さいネットワークで、崩壊させるのに最適なノードがわかっているデータを用意しておき、これをグラフ・コンボリューションという手法を用いたニューラルネットワークに学習させている。

今回の手法の説明。正解がわかっているもので学習をした後に、新しいネットワークを提示すると、崩壊させるのに適していそうなノードを教えてくれる。

その結果、比較的小さいネットワークで学習したにもかかわらず、大きいネットワークについても崩壊させやすいノードが出力できるようになり、性能はこれまでの経験則よりよいことがわかった。

今回の手法(GDM)によってnetworkを崩壊させた例。もともとbのようなネットワークだったものからいくつかノードを取り除くことで、cのようにバラバラにしている。 aでは他の経験則との比較をしていて、今回の手法(青)だと少ないノードで速く崩壊していることが確認できた。(LCC:Largest connected component、最大のクラスターの大きさを表していて、これが低いとネットワークが崩壊していると判定できる。)

また、このシステムは次にノードを取り除くことでネットワークが崩壊する確率も出してくれるので、現状のネットワークの危険性の判定にも使うことができる。

Grassia, M., De Domenico, M. & Mangioni, G. Machine learning dismantling and early-warning signals of disintegration in complex systems. Nat Commun 12, 5190 (2021). https://doi.org/10.1038/s41467-021-25485-8